はじめに
株や仮想通貨に投資をしていると、「今は買い時?それとも売り時?」と迷うことは誰にでもあります。ニュースやSNSを見て焦ってしまったり、逆に楽観的になりすぎてしまったり…。投資で一番難しいのは、実は「自分の感情」との付き合い方かもしれません。
そんなときに役立つのが、投資家心理を数値化する 「フィア&グリード指数(Fear & Greed Index)」 です。市場全体のムードを「恐怖」と「欲望」で表すことで、相場の過熱や冷え込みを直感的に理解できます。
本記事では、この指数の仕組みや使い方、注意点までわかりやすく解説していきます。
💡 今回は、短い動画でイメージをつかんでもらいながら、フィア&グリードの基本から活用方法までを解説します。
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フィア&グリード指数とは?
フィア&グリード指数は、投資家の心理状態を 0〜100の数値 で表したものです。
0〜25:極端な恐怖(Extreme Fear)→ 市場が悲観的すぎて、売られすぎている可能性。
25〜45:恐怖(Fear)
45〜55:中立(Neutral)
55〜75:欲望(Greed)→ 投資家が強気で、買いが活発化。
75〜100:極端な欲望(Extreme Greed)→ 市場が過熱気味で、急落のリスクも高まる。
株式市場では CNN の指数が有名で、仮想通貨市場には「Crypto Fear & Greed Index」が存在します。どちらも投資家が注目する心理指標です。
CNN版フィア&グリード指数の算出方法
CNN が発表している指数は、以下の7つの要素を元に計算されます。
1. 株式の勢い(Market Momentum)→ S&P500 が125日移動平均線をどの程度上回っているか。
2. 株価の強さ(Stock Price Strength)→ 新高値をつけた銘柄数と新安値銘柄数の比較。
3. 株価の幅広さ(Stock Price Breadth)→ 上昇銘柄と下落銘柄の出来高バランス。
4. オプション市場(Put & Call Options)→ 投資家がプット(下落保険)を多く買っているか、コール(上昇期待)を多く買っているか。
5. 市場のボラティリティ(MarketVolatility→ VIX指数を使って、市場が不安定かどうかを測る。
6. 安全資産需要(Safe Haven Demand)→ 株と国債のリターンを比較し、安全資産へ逃避しているかどうか。
7. ジャンク債需要(Junk Bond Demand)→ リスクの高い債券が買われているかどうか。
これらをスコア化し、平均して最終的な指数が算出されます。
仮想通貨版フィア&グリード指数
仮想通貨市場は株式以上に値動きが激しいため、投資家心理を測る指標はとても重要です。
こちらは次のような要素から算出されています。
価格のボラティリティ(変動率)
取引量とモメンタム
ソーシャルメディアでの言及量
Googleトレンドでの検索動向
たとえば、急落後にSNSで「ビットコイン終わった」という投稿が増えると指数は下がり、逆に「次は1億円!」のような楽観的な投稿が増えると指数は上がる仕組みです。
活用方法
1. 相場の転換点を探る
極端な数値は、相場の行き過ぎを示す可能性があります。
・極端な恐怖 → 割安株や買い場の可能性
・極端な欲望 → 過熱感が強く、売りや休むサイン
2. 感情に流されないチェックツール
投資ニュースに一喜一憂するのは自然ですが、そのまま売買判断に直結すると危険です。指数を見ることで「今は市場全体が恐怖モードだから、自分も焦っているだけだな」と冷静になれます。
3. 他の分析と組み合わせて使う
フィア&グリード指数だけで投資判断をするのは危険です。ファンダメンタルズ(企業業績)やテクニカル分析と合わせて使うことで、より強力な判断材料となります。
注意点
・万能ではない:市場心理を数値化したものにすぎない。
・外部要因に弱い:金利政策や地政学リスクには対応できない。
・短期向き:長期投資家にとっては、あくまで参考程度。
特に仮想通貨市場はボラティリティが大きいため、過信すると逆に振り回されてしまうことがあります。
まとめ
フィア&グリード指数は、市場の「心理」を理解するための便利なツールです。
・数値が低いとき → 投資家が恐怖に陥っている → 買いのチャンスかもしれない
・数値が高いとき → 投資家が強欲になっている → 警戒すべきタイミング
ただし、これだけに頼るのは危険。あくまで「補助指標」として、冷静な投資判断を支えるツールとして活用しましょう。
投資の世界で一番大切なのは、感情に流されないこと。フィア&グリード指数をうまく取り入れて、あなたの投資に役立ててください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な判断はご自身の責任にてお願いいたします。


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